ハンセン病療養所における胎児等標本についての申入書

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ハンセン病療養所における胎児等標本についての申入書

2006年 3月15日

厚生労働大臣 川崎二郎様

ハンセン病問題研究会
連絡先:世話人代表 村岡潔
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ハンセン病療養所における胎児等標本についての申入書


  私たち「ハンセン病問題研究会」は、昨年12月20日、次いで本年1月11日には賛同人・賛同団体名簿を添え、貴職に「ハンセン病療養所における胎児等標本に関する要望書」を提出しましたが、さらに今回、重ねて申入書を提出いたします。
   本来、胎児(標本)は、両親及び遺族関係者のものであるにもかかわらず、国立ハンセン病療養所などに保存されている胎児(新生児も含むと思われる)のホ ルマリン漬け標本を、当事者本人への通知や同意・理解・納得などを無視・軽視したまま、焼却処分するという貴職の提案方針に対して、私たちは、胎児標本の 焼却や埋葬を行う前に、これらの標本が作られるに至った経緯や研究利用の実態等を、国の責任において解明するよう求めましたが、貴職は方針変更をすること なく、依然として焼却処分を進める姿勢であると聞き及んでいます。
  しかしながら、貴職は、ハンセン病者への隔離・優生政策、強制断 種・強制堕胎をすすめた責任主体であり、これらの胎児や新生児が抹殺され標本にされた経緯に関して行政として説明責任を負う存在です。責任者として追及さ れる立場にある貴職が、事実を解明する姿勢も見せず、また当事者本人に正式謝罪することもなく、焼却処分の方針を進めるのは、証拠隠滅に他ならず、誠意と 反省のない姿勢であると受け取らざるを得ません。
  本年2月15日に全国ハンセン病療養所入所者協議会が出した「全療協声明」でも 「なぜ、これほどまでに大量の胎児および臓器標本が作製され、殆ど放置された状態で今日に至ったのか。或いは、闇雲に処理されてしまった園の分も含め、歴 史的検証がまだ充分行われたとはいえず、強制された断種、堕胎、解剖の問題として今後共あらゆる機会をとらえ、その原因と責任の究明に努めるものとする」 と述べられています。充分な調査・検証を実施せず、実態解明も不十分なまま、「供養」「慰霊」の名のもとに焼却処分を行うことは歴史的事実を隠蔽すること であり、国の責任を果たさず回避するものであります。
 そのため、私たちは貴職に対し改めて、焼却処分を急ぐ方針を撤回し、国の責任において歴史的実態を明らかにするよう求めることを申し入れます。
なお、本年3月10日現在で「ハンセン病療養所における胎児等標本に関する要望書」に寄せられた賛同者・団体名を添えて再度提出しますので、貴職の誠意ある真摯な対応を求めます。



以上

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